はじめての海外文学

頭がふっとぶほどおもしろい海外文学のお話や、イベント、本屋さんのお話など本にまつわることを中心に書いていきます

2015年本屋大賞 翻訳部門

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2015年本屋大賞はめでたく、上橋菜穂子さん『鹿の王』に決定しました。
今回3度目の参加となった本屋大賞ですが、残念ながら妊娠によるホルモンバランスの崩れのせいで、(このホルモンのやつがくせものでして、、、ニンゲンなんてこの微量の分泌物ひとつで簡単にコントロールされちまうちっぽけな存在ナンですな。。)この時期極度の無気力症候群に陥っており、読書もほとんどできない状態で二次投票には参加できませんでした。
 
が、発表までにはいくつかのノミネート作を読ませていただき、『鹿の王』もがっつりのめり込みました。いや、最高におもしろかった!
これ鹿の王様が出てきて、しゃべったり、踊ったりする児童文学だと思ってる方!!!ちがいます!!!!
少数民族として、誇りを持って生き抜くか、強い勢力に守られながらも、自身の生き方をしたたかに探ってゆくかの違いで対立してしまう人間たちと、それをあざ笑うかのようにじわじわとゆっくり浸透してゆく病気。その狭間で翻弄される動物たち。そして戦いつつも共存の道を探ってゆく叡智と勇気を持った人たち。
そんな人たちを描いた、人間とは、命とは何かということを浮きあがらせた傑作です。
物語にリアリティとスピード感があるので、ファンタジーってどうもニガテ、、な人もたぶんのめり込んじゃうと思います。ぜひ、おためしあれ。
 
さてさて、今回書きたいのは実はそれじゃなくて、、、みなさま本屋大賞に翻訳部門ってあるのご存知ですか?
いや、出版関係者ならほぼ知ってるとは思うのですが、わたしのまわりにいる書店、出版とは関係ない方々で、知っている人はまぁ皆無なわけでして。
悲しいかな本屋大賞の報道は年々大きくなっているにも関わらず、翻訳部門に関する報道はほとんど見られません。
まあ、今年でまだ3回目の試みなので当然なのかもしれませんが、書店員が選ぶ翻訳小説ももうちょっと注目してほしい!と思うわけであります。(わたしも前回から参加させていただいてますのです。)
 
気になる今年の受賞作品は
昨年からずっと翻訳小説としては異例の売れ行きで、大ヒット。実は3部作の2作目だったこの作品の1作目が最近発売になって話題を読んでおります。
 
古めかしい本格ミステリ風のタイトルと装丁とはウラハラに、非常に練りこまれたスピード感あふれるエンタメミステリー
 
数々の国で大ヒット。映画化にもなりました。
ちょっと勘違いして買っちゃったおじいちゃんおばあちゃんに大ウケ。そこから火がついて全世代に浸透していった(と勝手に推測)ドタバタコメディ。わたしも祖母にプレゼントしたら、祖母がまた友人たちにまわしてみんなで大ウケしたそうです。
 
火星に一人取り残されたら⁈ どうする、どうなる?いつか火星に住むことも夢のまた夢じゃなくなってきた昨今。この本が現実になる日も来るのかも⁈ ハリウッドによる映画化も決定されている注目作。
 
ペナンブラ氏の24時間書店はまったく繁盛していないのに、24時間営業。しかも棚には存在しないはずの本がぎっしり。暗号で書かれたそれらの本を解読していくと、500年に渡る謎が解き明かされて行く、、、という本好きじゃなくてもわくわくするような筋書き。全米図書館協会アレックス賞受賞作。
 
 
なんと同率3位が3作品あるので、計5作品6冊(上下巻1点)ボリュームたっぷりですが、、、わたくしブログ立ち上げ第1段企画として翻訳小説部門、第3位までを読んでリポートしてみることにいたします!
 
しかし他にも読まねばならないものがたくさんあるので、5月末くらいまでを目標にゆるゆるやってみたいと思います。(じぶんにあまいニンゲン、、、)
終わるころには本屋大賞なんてどこへやら状態かもしれませんが、それから読んだってもちろんまったく遅くはありませんので、ゆるゆるおつきあい願えればありがたいです。