はじめての海外文学

頭がふっとぶほどおもしろい海外文学のお話や、イベント、本屋さんのお話など本にまつわることを中心に書いていきます

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『氷』アンナ・カヴァン

すごいすごいとは聞いていたのだけど、本当にすごかった。 カヴァンの『氷』。 これは何なのだ。 全編通して、途切れることのない不穏さ。 主人公がいったい何者なのかも、まったくわからない。ただただひとりの少女を追い続ける。偏執的といえば偏執的だけ…

『雪を待つ』ラシャムジャ

人生初のチベット文学でした。 はじめて読んだのがこの本で、すごくよかったと思う。 すごく素直な本だったから。 初めて手にとったとき、素晴らしい装丁だなぁと思った。 そして『雪を待つ』というタイトル。「ある雪の日、ぼくは文字と出会った」という帯…

『流』東山彰良

5月に入って、一日中家にいる日が増えた。 だから、この機会に奥行きがあって使いづらかったうちの本棚を改造しようと、木材とネジなどを買ってきて、奥にもう一つ棚をつけてやろうなどと画策し、奮闘してみたり(ちなみに泣けるエピソードがいろいろあって…

新世紀歴史本!『エウロペアナ 二十世紀史概説』

こんな風変わりな本は、今まで読んだことがない。 胸をはってそう言えるほど、いっぷう変わった小説です。 第1回日本翻訳大賞『カステラ』に続いてもう1点の受賞作がこちら。チェコの作家が書いたヨーロッパ思想史 『エウロペアナ 二十世紀史概説』パトリク…

『ペナンブラ氏の24時間書店』ロビン・スローン

さて、本屋大賞第3位は『窓から逃げた100歳老人』とあと2冊ありました。 そのうちの1冊がこちら 『ペナンブラ氏の24時間書店』ロビン・スローン著 東京創元社 これ実は新刊で入荷して、店頭に並べたときから気になっていたんですよね。 まぁなんせ本屋で働…

第1回日本翻訳大賞受賞『カステラ』

日本翻訳大賞なるものが、今年から始まりました。 翻訳家の西崎憲さんを中心に、クラウドファンディング(ってやつ??)で資金を集め、先日喜ばしいことに無事第一回受賞作が発表されました。 栄えある第一回受賞作はなんと2作品。 『カステラ』パク・ミン…